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【米国高配当ETF】VYMの下落対策【買うタイミングもわかる】

増やす

「米国高配当ETFの買うタイミングを悩んでいる人」

VYMって今結構値上がりしてるし、買った直後に下落したら…とか色々考えると中々買うタイミングが分かりません。

考えている間に株価が益々上昇していくので、買っておけば良かったと思うのですが、最近下落もあったし、買った直後に大きく下落したら精神的にもきつい…。

そんな感じで悩んでいませんか?

今回は、米国高配当ETFを投資する方にとって、知っていて損はない大切な「下落対策(リスクヘッジ)」について解説します!
下落対策を知っておけば、買い時を考える必要はありません!

記事内容
  1. 買うタイミングで悩んだり、そのためにチャート分析する必要がなくなる。
  2. 大きな下落に巻き込まれて資産が急減するリスクを下げることができる。
  3. 具体的な投資方法について図で解説。


なお、私は投資歴7年・化学研究者歴12年の未就学3児のパパです。

家庭のためにもリスクを避けたお金の増やし方にフォーカスしていて、これまでの研究職と投資の経験から「堅いお金の増やし方」について日々検証しています!

また、堅くお金を増やす基礎的なKindle本も出版しています。

今回は、その検証から導いた「下落対策」について解説しています!

また、今回の記事は動画でも解説しています。

リスクヘッジがよくわからない!という方は過去記事で考え方について解説しているので確認してください。

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短期目線のチャート分析をオススメしない理由

まず最初に知って欲しいのは、チャートから株価を予想して高配当ETFの買い時を考えるは、資産増加のチャンスを逃す可能性があるという事です。

実際のチャートで解説していきます。

例えば、次図のチャート分析から「赤枠まで下落する可能性もあるから、赤枠で買い増しする」と予想したとき、赤枠に下落するまで自身の資金を残すことになります。


しかし、次図のように予想が外れ、この直後上昇トレンドになった場合は、赤枠まで下落に備えて残していた資産はその上昇トレンドを逃したことになります。

実際に、予想通りにならない場面はよくあります。
そして、予想通りにならない毎に「買い時」を逃したという結果になります。


ここで問いたいのは、「本当にチャートを読めますか?チャートの検証ってどれくらいやったことがありますか?」という事です。

何となくでも読めることは大切なんですが、自信をもってチャート読めます!って方は、米国株高配当ETFでチャート分析するよりも、短期トレードで稼ぎやすい他の銘柄で分析しているのではないかと思います。

何が言いたいかと言うと「長期投資を考えている高配当ETF投資なのに、短期的な目線で慣れないチャート分析をして買い時を考える」というのは、投資の時間軸が異なっているという事です。

よって、長期投資には長期投資の「下落対策」を実施することをオススメします。
なお、これから解説する下落対策をうまく実施できれば、細かなチャート分析は不要になります。


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長期投資の「下落対策」とは?

結論から言うと、長期投資の「下落対策」は、債券を組み合わせる事です。

何故、債券を組み合わせた方が良いのか?実際に確認していきます。
なお、今回は長期国債ETFであるⅰシェアーズ 米国国債 20年超ETF(TLT)との組み合わせで検証しています。

検証条件は資金$10,000を2006年から現在までの15年間投資した場合の結果です。
配当金は再投資に使用したパフォーマンスとなっています。

まず、VYMのみ投資した資産推移が青のライン、TLTのみ投資した資産推移が赤のラインです。
この株価の動きを確認すると、VYMが上昇するとTLTは下落し、VYMが下落するとTLTは上昇しているのが簡易的に分かると思います。

つまり、VYMとTLTは逆相関に近い動きをしているということです。

また、もう1つ重要なのが、どちらも右肩上がりに上昇しているということです。

そして、この上昇しながらも、値動きは逆相関に近い関係であるVYMとTLTをそれぞれ50%ずつ購入した場合はどのような資産推移になるか確認してみましょう。

VYMとTLTを50%ずつ購入し続けた場合の資産推移は黄色のラインです。

VYMとTLTの間に資産が推移すると考えていた方は少し驚いたかもしれませんが、VYMのみ投資していた場合と最終的な資産はほとんど変化がない結果となっています。
むしろ、VYMだけ投資するよりもVYMとTLTを組み合わせた方がパフォーマンスが高い期間が長いこともわかると思います。

そして、もう1つとても重要な事は、下落時の資産減少が小さいという事です。

例えば、VYMは、2008年から2009年のリーマンショック付近をみると、資産が約50%減少しており、2020年のコロナショックにおいても約25%減少しています。

一方で、VYMとTLTを組み合わせた場合は、リーマンショックでは資産が約20%減少、コロナショックでは資産は減少していない結果となっています。


つまり、長期投資の「下落対策」とは、リーマンショックやコロナショックなどが起きても資産変動が少なくなるように銘柄を組み合わせて投資し続けるという事です。

また、この下落対策がしっかりできると、「購入後に下落したらどうしよう」という不安が少なくなるだけでなく、VYMの価格が大きく変動する度に買うタイミングを考える必要もなくなります。

唯一考えることは、VYMとTLTの比率が一定になっているか否かという事だけです。
そのポイントについては次で解説します。


VYMとTLTを購入していく流れ

VYMとTLTを組み合わせるメリットは「安いときに買い増す」という投資で資産を増やすためには欠かせないルールに自然と従うことができるからです。

今回は参考として「VYM:50%・TLT:50%」保有した場合の購入過程を確認します。
具体的には初期投資として「 VYM:$500・TLT:$500」購入したとします。

初期投資時の資産バランス




しかし、購入後に大きな下落があり、VYMの評価額が40%減少し、逆相関関係にあるTLTの評価額が40%増加しました。

その結果、評価額は「 VYM:$500・TLT:$500」から「 VYM:$300・TLT:$700」になり、「 VYM:30%・TLT:70%」の比率に変化してしまいました。

下落後の資産バランス


下落により、VYMとTLTの比率が変化したので、この比率を「VYM:50%・TLT:50%」にもどすために、下落したVYMを追加で$400買い増すことにしました。

元評価額は「 VYM:$300・TLT:$700」だったので、「VYM:$400」買い増した後の評価額は「 VYM:$700・TLT:$700」となり、元の「 VYM:50%・TLT:50%」の比率にもどります。

VYM買い増し後の資産バランス



この流れを確認しても分かるように、今回は下落したVYMを買い増すことでバランスを整えることになりましたが、基本的には「安い方を買い増す」というアクションを実施するようになります。

よって、「買うタイミング」は考えず、資産のバランスを整えることを考えておけば良いということになります。


なお、このように比率を見直すことを「リバランス」と言います。

リバランスのタイミングは年に1~2回とよく言われていますが、私は毎月積み立てているので、月1回以上は自然とリバランスしています。

特に相場が良い意味でも悪い意味でも大きく動いたときは買い増しするチャンスにもなります。
ただ、相場が落ち着いているときにリバランスするくらいの余裕が大切なので、私は給与日など決まったタイミングで少しずつリバランスを実施しています。

定期的なリバランスは安定した資産形成には必要不可欠なので、年1回以上実施することをオススメします。

以上がVYMとTLTを組み合わせたときの購入していく流れになります。


まとめ:VYMの下落対策

今回学んだことは以下の通りです。

① 買うタイミングで悩んだり、チャート分析する必要がなくなる。
⇒ VYMにTLTを組み合わせることで、常に「安い方だけ買う」だけで高いパフォーマンスになる。

② 大きな下落で資産が急減するリスクを下げることができる。
⇒ VYMと逆の値動きをするTLTを組み合わせることで急激に資産変動しにくくなる。

③ VYMとTLTの投資方法
⇒ 変動したVYMとTLT比率を自分のタイミング(給与日など)でリバランスするだけ。


今回はわかりやすい参考例として株:債券比率を50%:50%にしましたが、これは人によって最適バランスがあると思います。

資産が50%下落しても長期保有する予定なので気にしませんというリスクをとれる方は株100%でも良いですが、リスクを少しでも下げたい方は債券比率を大きくしていけば良いです。


他にも、受け取る配当金がしっかりと欲しい方も少しリスクをとって、VYM比率を大きくしておくことをオススメします。

何故なら、直近1年間のVYM配当利回りは約2.9%だが、TLTの配当利回りは約1.5%となっているからです。
TLT比率を大きくするほど、VYM+TLTの合計配当利回りが小さくなることを意味します。

このように人によって最適バランスや銘柄選択が異なってくることを忘れずに、今回の「長期投資の下落対策」から1つでも学びを得て、あなたの資産形成に少しでも役に立てたなら幸いです!

それでは、今回は以上です。