「優待クロスの必要資金を知りたい人」
- 優待クロスってどれくらいの資金が必要なの?
- 「保証金」とか難しい言葉が書いてあって、よく分からない…
- 資金に余裕がないと資金不足とかになって失敗しそう…
そんな感じで悩んでいませんか?
私も優待クロスをやり始めた頃に、資金ギリギリで実施していたので小さな失敗をしたときもありました。
よって、今回の記事では優待クロスの必要資金を知る上で、理解するべき「委託保証金・代用有価証券・追証」も含めて解説していきます!
委託保証金?代用有価証券?追証?
聞くだけで難しそう…。
そう思った方のためにも、図を使ってわかりやすく解説しているので、是非最後までみてください!
なお、私は投資歴7年・化学研究者歴12年の未就学3児のパパです。
家庭のためにもリスクを避けたお金の増やし方にフォーカスしていて、これまでの研究と投資の経験から「堅いお金の増やし方」について検証しています!
また、堅くお金を増やす基礎的なKindle本も出版しています。
今回は「堅いお金の増やし方」の1つである「優待クロス」に関する記事になっています。
なお、今回の記事は動画でも解説しています。
優待クロスは節約効果が大きいだけでなく、優待が届いたときも毎回ワクワクします!
是非一緒に優待クロスしましょう!それでは解説します!
信用取引のルールを知る
株主優待クロスとは?
まず、優待クロスとは以下のような流れで実施します。
ポイントは証券会社から株を借りて、借りた株を売る(空売り)と同時に株を買う(現物買い)ことです。
買いと売りを同時に(クロス)することで、株価が変動しても損益が発生しない状態になります。
一方で、現物買いを実施しているので株主優待を得ることができます。
この買いと売りのクロスをして、優待だけを得ることを「優待クロス」と言います。
このへんは過去の記事で勉強したので、分かります!
信用取引のルール
先程の図をみても分かるように、優待クロスは、信用取引である「空売り」を実施しています。
そして、信用取引を実施するには保証金が必要となります。
何故保証金が必要なのか?理由は主に2つあります。
1つは、証券会社から株を借りる上での信用になるという理由です。
もう1つは、あなた自身が大きな損をしてしまい資金がなくなってしまう事態を防ぐためです。
そのため、信用取引には以下のルールがあります。
- 最低委託保証金30万円
- 委託保証金率30%以上
優待クロスを実施する方にとっては、最低保証金30万円が主に関係する条件になります。
じゃあ、30万円あれば優待クロスが開始できる!ってこと?
優待クロスは30万円でできるの?
確かに信用取引のみを実施するには最低30万円必要になります。
しかし、優待クロスを実施する場合は30万円では足りません。
何故なら、貸株料などの手数料が発生すると、30万円をすぐに下回ってしまうからです。
それに現物株を買う資金も必要になります。
因みに、この信用取引に必要な条件(保証金30万円)を下回ってしまうと、保証金30万円を満たすまで資金を追加してください!という状態になります。
この保証(証拠)金を追加する状態になることを「追証」と言います。
優待クロスの場合は、もし追証になっても手数料程度の小さい額になるかもしれませんが、資金管理をする上では非常に重要です。
うぅ…やっぱり複雑。
とりあえず、信用取引を実施するための保証金30万円と現物株を購入するための資金が必要ということ?
それなら結構資金が必要になりそう…
そうですよね…ですが少し朗報です!
信用取引の保証金は現金以外にも、 保有している現物株式を時価評価し、保証金として加えることができます!
因みに、これを「代用有価証券」と言います。
次章では、この「代用有価証券」について解説します!
「代用有価証券」とは何か?
代用有価証券とは何か?
代用有価証券とは、保証金の代わりに用いることができる有価証券を意味しています。
もう少し分かりやすく言うと、現在保有している株の前日終値の80%相当額 (※) を保証金とみなすことができるという事です。
※ 証券会社によって代用できる有価証券の種類・銘柄及び掛目(現金換算率)などが異なりますが、今回は80%相当で算出しています。
代用有価証券は以下のようなイメージとなります。
よって、優待クロスを実施する際に、現物株を購入すると思いますが、その購入額の一部は保証金として代用することができます!
例えば、現物株10~30万円程度銘柄を優待クロスするときは、どれくらい資金は必要になるの?
10~30万円の銘柄をクロスする際の最低資金を考える
10~30万円の銘柄を優待クロスする際の資金は、以下のように考えます。
現物株の購入額30万円を例にすると、優待クロス実施資金は以下のように考えます。
- 代用有価証券として保証金の代わりになる額は80%相当の24万円。
- 保証金30万円が信用取引には最低必要なので、6万円不足。
- 保証金として現金6万円を充てる。
- 現物株30万円と現金6万円の合計36万円が優待クロス最低実施資金。
なるほど!10~30万円程度の銘柄の優待クロスは32~36万円あれば良いってことですね!
そうです!と言いたいところですが、少し注意が必要です。
何故なら、購入した現物株は下落する場合もあります。
加えて、貸株料を含めた手数料も発生します。
よって、ギリギリの資金では先程説明した「追証」になる可能性も高いです。
え?それなら結局、どれくらい資金が必要になるの?
ということで、下落や手数料も含めたもっと細かい必要資金算出方法について次章で解説します!
具体的な優待クロス必要資金を算出する
ここまで、保証金が30万円必要で、保有株の一部が保証金に充てられることを知りました。
ここからは、株価下落や手数料を含めた優待クロス資金の算出方法について解説します。
結論として「下落を想定した資金を追加しておく」ことです。
大まかにイメージすると優待クロス必要資金は以下の通りになります。
この考え方は、「クロスした銘柄が下落しても保証金30万円以下にならないように少し余分に現金を追加しておく」ということです。
算出している方法は、現物株購入額の10%分多めに資金を追加しています。
そうすることで、下落だけでなく、貸株料などの手数料も含めて対応できるようになります。
なお、図中では10%下落を例に記載していますが、ここは自身で5%下落にしても、20%下落を想定しても良いです。
重要なことは、「少し余分に現金を追加しておくこと」です。
今回はクロスした銘柄が下落したことを想定してるけど、下落しなかったら?
下落しなかった場合でも、貸株料の手数料などを支払う必要があるので、少し多めに資金を入れておくことは重要になります。
わかりました!優待クロスの手数料については過去の記事で比較してあったので、それを参考にしてみます!
結論:優待クロスは保証金を意識すべし
これから優待クロスをやってみたい!と考えている方は、クロスしたい銘柄の価格にもよりますが、20~30万円程度の銘柄であれば、40万円程度からチャレンジすれば問題なく始められるはずです。
保証金さえしっかり意識できれば、もっと少額資金からでも開始できます。
資金40万円あれば、下落が起きても、貸株料などの手数料が引かれても保証金30万円を下回らないから大丈夫!ということですね!
そういうことです!
なお、今回は1銘柄だけ優待クロスする場合を想定した最低資金について解説していますが、実際は複数株優待クロスする場合もあると思います。
複数株クロスすると下落する銘柄もあれば、上昇する株価も出てきます。
さらに、証券会社や銘柄によって、代用有価証券は保有株の80%相当額ではなく、50%相当額など変動もします。
こうなってくると資金管理が複雑化しますが、基本的には「保証金30万円」を維持できているか否か?だけを意識すれば問題ありません。
どの証券会社も(委託)保証金現金+代用(有価)証券評価(換算)額のように記載しているので、この2つを足し合わせた金額が30万円以上であれば問題ありません。
優待クロスする際のチェックリスト
はじめて優待クロスを実施する方は、以下のチェックをして実施してみれば良いかと思います!
□ クロスした後も、保証金30万円以上になるか?
□ クロスした株が多少下落しても保証金30万円以上を維持できそうか?
最後に、保証金を考える上でのポイントは以下の通りです。
- 現金は、そのままの金額が保証金になる!
- 購入した株は50~80%相当額が保証金になる!
この2点を意識して、実際の保証金を定期的に確認しておけば、簡単に優待クロスはできます!
他にも疑問がある方は是非YouTube又はTwitterにてコメント頂けたらと思います!
また、今回の記事を読んで、もっと詳しく優待クロスを知りたい、具体的に実施してみたい方は以下の記事を参考にして頂けると幸いです。
▼優待クロスについて詳しく知りたい方は以下の記事を参考にして下さい。
▼空売りについて知りたい方は以下の記事を参考にして下さい。
▼優待クロスの手数料について詳しく知りたい方はこちら
それでは、以上です!